1994年7月/新宿アトリエクマノ
もう、なんか色んな意味で申し訳ないですわ。
    この頃ゲーテの詩集とか読み漁ってたもんで、
    なんかそういった感じのフレーズが出てきたような気もするけど本当に細かいことは覚えてない。
    なんか、吸血鬼が人間の女を好きになっちゃって、
    何だかんだありまして、一ヶ月?二ヶ月?
    断食すれば人間に戻れる(かもしれない)みたいな流れの中で、
    腹が減りすぎて気がついたら好きな女の血を吸っちゃって、
    そいつがご主人様ご主人様と膝元にまとわりついてくるみたいなオチだったような気がする。
    新聞紙食ってた頃だったので食欲という物に対してすげえリアルな目線だったんじゃないでしょうか、
    今となっては憶測でしか喋れないですけど。
    何もしていなかった現状で「このままでは人間としてダメになる」つってバンドやろうとしたけど
    ギターが弾けない歌もヘタで、
    じゃあ何が出来るかって字が書けるっていう発想から、
    お芝居やろうかなって思ってやりました。
    つうか、そもそもこの一回きりで辞めるつもりだったんですが、
    なんか、意外と出来るなあとか思っちゃって劇団化していくわけですよ。
    今でこそMCRですがこの時は「殺害塩化ゴム」って名前で、
    なんだそりゃとお思いでしょうが、
    この名前からも一回きりのつもりだったんだろうなあってのが理解できると思います。
    昔好きだった殺害塩化ビニールっていうインディーズレーベルから盗ってきた名前なんですが、
    以後しばらくはこの名前でやり続けることになります。
    オウムの事件が起こってから劇場がこの名前じゃ貸してくれなくなって、
    無理矢理英語にバラけてMCR(Murder Chloride Rubber)にしたって感じです。
    今やすっかり迷走しているMCRという名前の由来ですが、
    実はこんなショッパイ由来です、カミングアウトですわ。