 
  新宿シアターモリエール
▼CAST
    ドリル
    江見昭嘉
    小川淳弥
    北島広貴
    上田房子
    竹内聖詞
    三澤勇人
柴崎真人
    渡部裕樹
    福井喜朗
    会津素子
    山内三知(らくだ工務店)
▼STAFF
    作・演出○ドリル
    舞台監督・美術○GONTA
    照明プラン○岡野文寛(M Light)
    照明オペ○久保田つばさ(M Light)
    音響○稲垣悟
    宣伝美術○中野嘉美
    制作○八田雄一朗・劇団MCR
    製作○劇団MCR
▼Special Thanx!!!
    三木拓郎(M Light) 神谷憲司 シアターガイド・プロモーション部 らくだ工務店 三浦香代(オハナシラジオ)
    bird's-eye view (株)門間組 ヨシロー冒険団 もきゅ@ 白川直子(Quarter Note)大浦さやか(タコあし電源)
    岡由佳子 香山美穂(OLEO) さくら(ハグハグ共和国) 高津映画装飾株式会社 (有)共同センター
    新宿シアターモリエール
    ぴあ株式会社 BACK STAGE(LAND-NAVI) えんげきのぺーじ 山田友美 ユニクロ 野方青年館
    阿佐ヶ谷地域センター 和民野方店 井草地域センター
    (敬称略・順不同)
▼STORY
    さて、世の中に氾濫している格好いい物(者)は本当に格好いいのでしょうか?
    趣味嗜好を飛び越えて「格好いい」とされるものは実在するのでしょうか?
    「価値観の違い」と言い切られてしまえばそれで終わりになるような問題ですが、
    果たしてその「価値観」とはどれほどまでに枝分かれしているものなのでしょうか。
    今回MCRではその「格好いいものの価値観」で作品を作り上げようと思います。
    ネイティブな価値観というものはそもそも存在するものなのでしょうか?
    情報によって刷り込まれた「格好いいものの価値観」で僕らが「格好いい」と思いこんでいる物(者)は
    実際本能に訴えかけてくるような「格好良さ」なのでしょうか。
そもそも「格好良さ」とは何なのか。
胸がキュンと切なくなるような歌を唄う歌手は格好良いですか?
    でもその歌手の髪型はあんまり好きじゃないですか?
    歌は良いけど性格悪そうだから好きじゃないですか?
    そもそも歌手なんか興味が無いですか?
    何故?
格好悪いじゃん歌手なんてやっぱりサッカー選手が一番ですよでもサッカー選手って足が短いんでしょだったら嫌だなだって小学校のときに3組の友美ちゃんがお兄ちゃんがサッカーやったら足が短くなったって言ってたもん私は足の長い人が好き隣にそんな人がいたら格好良いでしょ友達にも自慢できるしだってだって私の彼氏ってね、身長170センチで足が130センチあるんだよ格好良いでしょ?
MCR独自の会話が紡ぎだす「ハイスパートコメディ」で皆様の価値観を粉々にします。
    皆様の価値観が先走って舞台に侵食するか、
    こちらが追いつかれずに客席を染め上げるか。
さて、いつまで笑ってられるか勝負です。
MCR劇団員と話す時、過去公演についての話がたまに出てくるのだが、
    その時に最も苦笑が満ちあふれるのがこのレッドリムジン~です。
    まず、タイトルの意味が猛烈に分からない。
    今でも全く分からないので当時はよっぽど分からなかったんだと思われる。
    劇団にはそれぞれ変革期や過渡期が訪れるモノだと思われ、
    それは即ち「迷走」を伴うものであると感じるのだが、
    それを如実に表した作品こそこのレッドリムジン~なのです。
    当時MCRはグリーンを脱出し、
    何故だかそこそこお客さんも入ってきて、
    そこで俺を迷走させたのが「増えたお客さんをいかにして留まらせ、楽しませるか」という事でした。
    作品世界の構築をする際に客観視というモノは絶対に必要だと思うのですが、
    客観視だけだと軸がぶれる、そういうものです、きっと。
    いかにして楽しませるのか、
    どうしたら楽しむのかという事ばかりを考えると、
    やはり、主観が分散して散漫な印象となり結果集中力を保たせるのが難しいという結果になる、
    それを痛感した作品でした。
    失敗だったのかというと、一概にそうとも言い切れなくて、
    例えば今見ると「あれ、意外と面白いじゃん」みたいな部分もあるし、
    多分最後の方は客観視することに疲れ切ってたんだろうけど
    結果ソリッドな台詞が出てきたりして背筋をピンとさせるし、
    あと、ここを通過したことによって「ここは通る必要のない道なんだな」ということが分かったりと、
    劇団と俺の成長を促進させる劇薬だったのかなあとか今になると思います。
    こう書くと、どんな事やったのか気になりますか?
    舞台にマットレス引いて2階から飛び下ろしたりしました。
    あらすじは、どんぐり拾いというバイトをする4人組が
    当時はやっていたアカペラとラップを組み合わせた「アカペラップ」というジャンルでデビューを目指すというもので、
    そこに絡んでくる口のが突然きけなくなった女の子とか
    頭のおかしい男とか、気に入らないことがあると皿を割り続けるクセのある喫茶店のマスターとかがいて、
    兄に殺された弟が不倫相手の前で成仏したりとか、そういう話です。
    そういう話ですって、どんな話なんだかって感じですよね、そりゃそうだ。
    個人的に気に入ってるネタとして、
    俺がクマにまたがって「まーさかりかついだ俺」って三回言うところと、
    江見がハゲヅラ被ってブルマ履いてパンをくわえたまま現れた住職に
    「住職、おパンが、おパンが」という所ですが、
    どっちも全くウケませんでした。
    ついこの間、俺は最高に面白いと思うんだけどなあという前提の元にこのネタの話をしたら、
    そこでもやっぱりウケなくて、
    ああ、あれは当然の反応だったのかと最近になって知りました。
    そういう意味じゃ、この公演を行って実になった事を実感しきれてないってことですね、残念。
    ただ、最後の方に出てくる「偉大なる先人達よ俺達に身を任せ安心して眠れ」って台詞は
    個人的に気に入ってます。
    余談ですが、あまりにも江見が舞台上で不甲斐なかったので、
    本番中に転換ですれ違う時江見のボディにブローをねじ込んだら
    その後舞台袖で江見が土下座して俺を迎え入れました、笑いました。